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治療体験談(9)

病気をのりこえて、自分らしく生きる

~成長ホルモン治療で本来の自分に戻ることができました~
菊池さん(仮名)(男性 60歳代)

監修:亀田 亘 先生(山形大学医学部附属病院 第三内科)

菊池さんは長い間、教員として仕事一筋に打ち込んできました。55歳のときに突然、下垂体腫瘍を発症し手術をしましたが、術後も体調不良が続いて思うような日常生活が送れなくなりました。その後、亀田先生と出会って成長ホルモン治療を始められて、本来のご自分の生活を取り戻すことができました。いまでは、以前と同じように忙しく働く毎日を過ごされています。

-下垂体腫瘍が発見される前は、どのような生活をされていましたか?

 私は教員をやっておりました。ひたすらこの仕事一筋に打ち込むことが、教師としての役割だという思いがとても強かったので、まさに仕事人間でした。家庭も大事にしていましたが、我々の年代はみんなそうでしょうね。かつては、朝の7時半頃出勤して、帰宅後に夕食、仮眠をとって夜中の2時から明け方4時頃まで仕事をしていました。30年くらいそんな生活が続きました。

-下垂体腫瘍が発見されたときの状況を教えてください。

 新年の会合のときでした。頭が痛くなって、突然吐いたのが最初です。耐えられないほど頭が痛くなりました。すぐに病院で診てもらいましたが、なかなか原因がわからず、精神的なものではないか、仕事のしすぎで疲れているのではないか、などと言われました。その日以降ずっとひどい頭痛と尿が非常に頻繁に出るようになって、夜はまったく寝られず、食欲もないという状態でした。幻覚症状も出てきまして、これはおかしいと脳神経外科でMRI 検査を受けて、腫瘍が見つかったのです。

-病気に対する不安はありましたか?

 脳に腫瘍があるということで、とても不安でした。私たち素人にとっては「脳腫瘍」というのは、非常に衝撃的なことです。脳腫瘍=生死にかかわる、という概念がありましたから、身の回りの整理もしなければと考え実行しました。治っていく希望もまったく見えていなかったですね。

-不安なお気持ちで手術を受けられたのですね。下垂体腫瘍の手術後の経過はどのようなものでしたか?

 やはり術後もつらかったです。発熱や下痢があって、近くの医院で点滴も何回かしてもらいました。脱水症とか体温調節がうまくできなくて、全身にいろいろな症状が出ていたようでした。そんな状態をずっと我慢していたところ、先生から成長ホルモン治療というものがあることを教えていただいて、私としては、藁にもすがる思いで始めました。

-自己注射で治療していくことについてはどのようにお感じになりましたか?

 先生からすすめられるものであれば、注射であろうと何であろうと無条件でやってみようという気持ちでした。成長ホルモンが欠けてしまうと、“その人らしさ”というものが維持しにくくなってしまうと伺いました。 「あなたがあなたらしく生きるためにはこれがベターですよ」という言葉を一貫して先生からいただいて、治療法もポジティブに受けとめることができました。

-治療を始めて、一番変わったことはどのようなことでしょう。

 体調が本当によくなって、前と同じようにいろいろできるようになったことです。本来の自分の生活に戻ることができました。いまでは、地域の自治会など、たくさん仕事を引き受けすぎてしまって、「もうほどほどにしませんか」と先生にも言われています。この治療をしていなかったら、このような活動をすることも難しかっただろうと思います。

-最後に、つらい症状で苦しんでいらっしゃる患者さんにメッセージはありますか?

 私は先生と出会えて、この治療を紹介していただいたことを感謝しています。私の体験を一つの事例として、患者さんにわかりやすく、「成長ホルモン治療があるから心配ない」ということを伝えていただきたいですね。

菊池さんと主治医の亀田先生(ご本人の許可を頂いて掲載しております)

主治医のコメント

 菊池さんは成長ホルモン治療を続けながら、筋トレなど自主トレーニングもされ、体力維持の面でも、ずっと努力されています。大事なことは、55歳のときに下垂体腫瘍が発見されても、その後の治療期間を経て60代になったときに、自分らしい生活を送ることができているかどうかではないでしょうか。菊池さんなら大丈夫だと思います。これからもライフワークの一環で、地域や教育など社会貢献のお仕事を続けていただきたいと思っています。

監修:亀田 亘 先生
山形大学医学部附属病院 第三内科

*患者さん用のパンフレットより掲載致しました。掲載記事の内容は、一人の患者さんの体験談であり、すべての患者さんに同じ効果を示すわけではございません。